ワイン名: ヴォワラ・レテ
生産地:フランス/ロワール
生産者:マリー・ロシェ
ブドウ品種:ピノ・ノワール 75%、ドニス 30%
ヴィンテージ:2022
アルコール度:13%
容量:750㎖
(テイスティングコメント)
サーモンピンクの色調。フラワリーで繊細な香り、スーッと口当たりの柔らかい、心地よい白桃の果実。穏やかでキレイな酸、ほんのり渋み。ご本人の意図する通り、気取らずスイスイ飲めるラフな印象ながら、余韻には品の良さも感じる隠れ上品ロゼ。(2023年12月 店長)
(ワインについて)
ブドウは手摘みで収穫し、除梗せずにダイレクトプレス。品種毎別々に野生酵母でホウロウのタンクで自発的に発酵。ブドウ以外の醸造添加物は一切加えずに醸造する。その後、シュール・リーの状態で自発的なマロ発酵と熟成。瓶詰め前に 2 品種をブレントし、無清澄で瓶詰め。SO2 は醸造中は無添加。ボトリング後のワインのネガティブな反応を避けるために、瓶詰
め前に必要最小限添加。
2022ヴィンテージはトゥーレーヌのビオの造り手ヴァンサン・ルクレールからの買いブドウで醸造。
収穫はピノ・ノワールが 9/5〜6。ドニスが 9/13。2023 年7月24日に瓶詰め。総生産量4,280本。
〜マリー・ロッシェ自身によるコメント〜
『このキュヴェの名前を選んだのは、ロック・バンドのレ・ネグレス・ヴェルトによる夏への賛歌である
曲のタイトルだからです。音楽、太陽、晴れた青い空を感じさせるとても陽気で軽やかな歌です。このキュヴェを造る前から、ワインにふさわしい名前だと思っていました。
そして、2021年にロゼのキュヴェを造ろうと思い立った時に、ロゼが夏を象徴するワインであることから、この名前がふさわしいと思ったのです。このキュヴェの名前にちなみ、エチケットには、フランスの詩人アルチュール・ランボーが夏に経験した感情を表現した詩「ソンサション=感覚」からの抜粋が記載しました。』VOILA L’ETE ヴォワラ・レテとは、フランス語で『夏だ。』、『夏です。』といった意味。1980 年代後半から90年代初めにかけて活躍したフランスのロック・バンド Les Négresses Vertes レ・ネグレス・ヴェルトの曲のタイトルでもあります。
(生産者について)
2014ヴィンテージを最後に⾧い歴史に幕を下ろしたクロ・ロッシュ・ブランシュは、数多くのナチュラルワインの造り手に大きな影響を与えてきました。また、クロ・ロッシュ・ブランシュの畑を引き継いで、ボワ・ルカ、ノエラ・モランタン、ローラン・サイヤール、ジュリアン・ピノーなどのドメーヌが次々と誕生していきました。そのクロ・ロッシュ・ブランシュの醸造所を借りて、2018 年にナチュラルワインのミクロネゴスを立ち上げた女性がいます。パリから移住してきた Marie Rocher マリー・ロシェです。
1978 年にパリで生まれたマリーは、16 歳の時にヴァランスの三ッ星レストラン『ピック』に両親と食事に行ってワインを試飲し、そこでワインに魅了されました。高校卒業後は、父の友人であったマルセル・ラピエールでのブドウ収穫に参加します。美しい秋の空と太陽の下、フランスや世界中から集まった様々な人達と寝食を共に過ごした 1 ヶ月は、マリーにとって今も忘れることができない幸せな思い出となっています。その後、マリーは5年間、毎年マルセルでのブドウ収穫に参加しました。2年目からは収穫の責任者も任されていました。その時から、ワインはマリーにとって料理と同じArt de Vivreアール・ド・ヴィーヴル(暮らしの芸術=人生をより良く暮らすためのライフスタイル)となったのです。このラピエールでの経験からマリーはナチュラルワインを味わうことが自然な習慣となり、90年台後半から2000年にかけてパリでナチュラルワインを提供する店が増えてきた時期に、La Regarade ラ・レガラード、Camdebordeカムドボルド、Thierry Bretonティエリー・ブルトン、 Le Baratinル・バラタン、Le Verre Volé. ル・ヴェール・ヴォレといった店に頻繁に通うようになりました。大学で地理学と都市計画を学んだマリーは、その後、フランス国外内の同分野の会社で10年近く働いていました。
2010年も近くなった頃、マリーは自分の情熱のままに生きたいと考えるようになり、父と共に仕事をするようになりました。マリーの父ジャン・ポールは書籍の編集者で、マルセル・ラピエールと親交が深く、ジュール・ショーヴェのテイスティングの本などを出版していました。その関係で、マリーはフランス各地で行われる Les Vins du Coin や ViniCircus や La Beaujoloise といったナチュラルワインと本のサロンに参加するようになったのです。そこで数多くのナチュラワインを味わって味覚を鍛えていきました。また、並行して天然酵母によるパン作りも学びました。パン作り好きで知られる、ジュラのピエール・オヴェルノワとは家族ぐるみの友人で、マリーがオヴェルノワの家の近くのブーランジェール(パン職人)の下に滞在していた時には、オヴェルノワと一緒にいくつかのパンを焼いたそうです。
2015年9月からはロワールのレ・カプリアード、エルヴェ・ヴイルマード、ミカエル・ブージュで醸造を経験。翌年にはパリからロワールに移住して、アンボワーズのビオロジックワインの学校に入学。並行して、ブリュノ・アリオンのドメーヌで栽培と醸造を学びました。そして、2018年、クロ・ロッシュ・ブランシュの元醸造所を借りて、ミクロネゴスを立ち上げたのです。2020年7月に隣村の Pouillé プイエに醸造所を移しましたが、クロ・ロッシュ・ブランシュのディディエ・バルイエとカトリーヌ・ルッソルは今も醸造面でマリーの手助けをしてくれています。
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